2022年、新型コロナウイルスが流行して3年が経ちました。
コロナ禍において、かかりつけ医の必要性を感じた人は多かったのではないでしょうか。
- 普段、病院にいくことがないからわからない
- 小さい病院だと不安。やっぱり大きい病院が安心
- 近所の評判が悪いところにはあまり行きたくない
そんな悩みを持つ人はとても多いんです。
かかりつけ医を見つける最大のコツは「自宅か職場近くの内科のクリニック」を受診することです。
なぜ、自宅や職場近くなのか。
どうしてクリニックなのか。
10年間、救急医療の最前線で活動している「救急救命士」であり、
救急車に乗って5000件以上の患者対応をしてきたタケルが解説します。
救急救命士は様々な病気を持つ患者を適切な病院に搬送することが使命です。
いわば、病院探しのスペシャリストです。
適切にかかりつけ医を持つことで、重大な病気の早期発見につながるかもしれません。
健康のまま長生きするためにも、信頼できるかかりつけ医を探しましょう。
かかりつけ医の定義とは
まず初めにかかりつけ医とは何かをおさらいしてみましょう。
健康に関することをなんでも相談できる上、最新の医療情報を熟知して、必要な時には専門医、専門医療機関を紹介してくれる、身近で頼りになる地域医療、保健、福祉を担う総合的な能力を有する医師。
参考:日本医師会ホームページ https://www.med.or.jp/people/kakari/
堅苦しい文章ですが、要約すると
- 体のことをなんでも相談できる
- 必要な時には専門病院を紹介
- 身近であり、総合的な診察能力をもつ医師
ということになります。
この3つがとっても大切なのです。
かかりつけ医のメリット
かかりつけ医を持つことで得られる最大のメリットは
「適切なタイミングで適切な医療を受けられる」
ということです。
冒頭でお話しした通り、コロナ禍では発熱患者さんを診察してくれる医療機関はごく少数でした。
なんと、かかりつけ医がいればちゃんと診察を受けられたのです。
また、手術が必要な重大な病気や専門的な治療が必要な病気(がんや指定難病等)が隠されているときに大きい病院へ「紹介状」を書いてもらうことができます。
実は、総合病院のような大きい病院を受診するためには「紹介状」が必要になるケースが増えているんです。
詳しくはこちら
大きい病院を受診していれば、救急車が必要な緊急の場合にたらいまわしにされることなく
すぐに診察を受けられる可能性が高まることもメリットの一つです。
かかりつけ医のデメリット
かかりつけ医を持つことで得られるメリットはわかりました。
一方で、どんなデメリットがあるかを考えてみましょう。
- 診察にお金がかかる
- 近くにどんなクリニックがあるのかわからない
- かかりつけ医を信用するあまり、医師の診断が間違っていることに気づけない
順番に見ていきましょう。
一つ目、これは誰でもわかることですが、医療機関を受診すると診察代や薬代がかかります。
保険証をお持ちであれば1~3割負担ですが、それでも出費は痛いですよね。
そういった出費を抑えることは難しいですが、医療費控除やジェネリック医薬品、民間の医療保険に加入していれば、少しでも負担を減らすことはできるかもしれません。
二つ目に、どんなクリニックがあるかわからない事についてですが、
私が強くお勧めするのは「Googleマップ」を利用することです。
Googleマップで自宅近くまたは、職場近くで「内科」「整形外科」「皮膚科」と検索してみてください。すると、距離とレビューが表示されます。レビューがなかったり、評価が悪いところにはいかなければいい。ただそれだけなんです。(いろんな医療口コミサイトを利用しましたが、この方法が断然おすすめです)
最後に、「医師の診断は絶対ではない」ということを強調させてください。
長年、医師との交流を持つ業務に携わってきたのでわかるのですが、
医師といえど完璧な人間は一人もいませんでした。
高齢の方には特に多いのですが、長年受診を続けていると医師の診断や判断が必ず正しいと思い込んでしまう傾向があります。
クリニックは大きい病院と比べると、スタッフの入れ替わりや定期的な研修などがないため、常に最新の情報にアップデートされているとは限りません。
昔はこうだったけど、いまは違う。なんてことも医療の現場では多々あることです。
また、医療の世界において「必ず」とか「絶対」ということはあり得ません。
今はインターネットが普及しており、多くの情報が手に入ります。
かかりつけの医師だけに頼り切るのではなく、自分でも調べてみて、不安や疑問があれば大きい病院に行きたいという意思をはっきり伝えることが何よりも大切なのです。
効果的なかかりつけ医の探し方
重要な要点を確認したところで、
私が本当に伝えたい、効果的なかかりつけ医の探し方をご紹介します。
- Googleマップで口コミや受診しやすさを含めて医療機関を探す
- 風邪や花粉症等で実際に受診する
- コロナ禍を機にかかりつけ医を探している旨を伝える
- 診察や対応が良いか、信頼関係を築けそうかを判断
- インターネットで医師のフルネームを検索
- 大きい病院での実績等があり、信用できるかを確認
- 総合的にみてかかりつけ医にするかを判断する。
私の10年間の経験から最も効果的な情報を厳選しました。
実は、患者さんが最も重要視しなければいけないのは「病院」ではなく「医師」なんです。
「あの病院は診察が適当だ」
「全然話を聞いてくれない」
「あの病院では全然治らなかった」
こういった声はよく耳にしますよね。
でも、もう一度よく考えてみてください。これらの噂の根本的な原因は病院ではなく医師に問題があるからなんです。
例えるのなら、初めて入った美容室のスタイリストさんに当たりはずれがあるように、医師にもあたりはずれがあるんです。
であるならば、診察をした医師が信頼に値する人物かをしっかり見定めましょう。
美容室であれば指名料がかかりますが、医師には指名料はかかりません。
医師としての志を持った方であれば、インターネットに必ず名前が載っています。
医師としてどんな活動をしてきたのかがわかる一方で、どんな病院とのつながりがあるかが見えてきます。
すると、自身で体の不調がある際には、○○病院へ紹介状を書いてくれませんか?
といった相談が可能になるのです。
するとどうでしょう。かかりつの病院ではなく「かかりつけ医」が見つかったではありませんか。
地域によっては医師やクリニックを選べない可能性はありますが、知っておいて損はないと思います。
医師の診断に不安がある場合
自分の身体のことは自分が一番わかっているのです。
医師に頼りきるのではなく、これからは患者自らが医師に提案し伝えることが必要なのです。
医師の診断に納得がいかない場合は、はっきりと
「○○病院へ行きたい」
「□□病院に紹介状を書いてくれませんか」
という気持ちを伝えましょう。
恐れることは何もありません。きっと親身になってくれることでしょう。
結論
かかりつけ医を持つことに対して、ハードルを感じられる方もいるかと思います。
ですが、Googleマップを駆使して医療機関を検索し、信頼できる医師を見つける。
受け身で医療を受けるのではなく、自身で積極的に医療に参加していくことこそが、これからの日本でとても必要なことです。
今回の記事を参考に、ぜひかかりつけ医を探してみてください。
コメント